日本の高校野球も、少しずつ”ビッグベースボール”化してきているのを感じます。
去年夏の甲子園大会は、個人最多6本塁打の中村奨成を含め、1大会での本塁打数新記録となる本塁打数となった。
1試合あたり1.4本の本塁打確率で、それは同時に点の取り合いとなるゲームが増えることにもつながった。
この土俵においては、「1点を取りに行く」戦術が必ずしも得策じゃなく、はじめから大量点を狙って戦術立てる選択も必要になってくる。
とくに日本の中でも野球競争率の高い地区は、”勝つために“ビッグベースボール化”が進んでいる。
私は去年の夏春に、たまたま明日の部活動が休みになり、何しようか考えて、そのとき茨城で開催する春季関東大会を見に行った。
前々日に、どこがやるのかなーと調べたら、早稲田!
清宮3年生の春です!
そして相手は花咲徳栄でした。
(ちなみにその後、花咲徳栄がその夏を全国制覇)
清宮かと知って、これは朝一で行かないと入れないと思い、前泊しました。
9時ゲーム開始ということで球場の開門は7時。
…予定が、行ったらもう駐車場は満杯。
そして球場はマジで7時でこの状態でした。
開門時間を変更したことはあとで知りました。駐車場警備の係員配置は朝の4時半だったらしい。
ビッグベースボール化
この試合で見た野球が、わたしの技術面・戦術面における指導の視点を一変させました。
ビッグベースボールへの変化
です。
とにかくどちらのチームも、よく外野までボールが飛ぶ飛ぶ。
下位打線でも、少し擦ったようにフライが上がると、打球は簡単に外野の定位置より後ろまで運ばれる。
芯を食えば打球はあっという間に外野オーバー、フェンスオーバー。この試合でも清宮の1本含め3本のホームランが出ました。
そんな打撃の中では、外野は前に出てくることができない。
ランナー2塁でも、前に出てきてしまうと簡単に超えられてしまいそうなので、出られない。
すると、ワンヒットで簡単にホームインできてしまうので、さらに得点が重なりやすくなる。
2塁ランナーの第2リード(投手が投球してからのリード)なんかはテキトーで、それでも返ってこれるから、第2リードを大きくして焦りながら走塁するよりも、リラックスしながらリードして打球判断だけに集中する。余計なライナーダブルプレーなど2塁ランナーの憤死も少なくなると感じました。
観客の視点も違うように感じました。
ちゃんと”野球”を楽しんでいるな、と。
例えば清宮がキャッチャーフライをあげて、それでも彼が1塁まで全力疾走している姿を誰が見ているか。誰が求めているか。
(いや、もちろんその姿勢も大切なんだけど)わたし個人的には、その打ち損じで悔しがって下唇を噛みながら天を仰ぐ清宮も見ていてワクワクするのです。
そこには”真剣勝負”があって、この空間は間違いなく、その真剣勝負が観るものを感動させていると感じたものです。
もちろん選手の差もあって、このビッグベースボールが田舎の公立校でできるかと言えば、難しいと思ってしまうかもしれない。
けれど指導者としてそこに妥協はできない。勝負せずにはいられないでしょ!
ね、祐太郎くん!
私の中では間違いなくこの試合の後から、バッティングについての勉強を変えた。
夏休みには北海道へ行き、Facebookはイングリッシュの動画であふれ、選手をつかまえては上向き(サイクロイド曲線と呼ぶ)のスイングの軌道を説いた。
今、こちらアカデミーでも、私が来てからだけでも十数試合をこなしているが、うちのジャパニーズ選手たちと、アメリカの選手たちのバッティングの差を痛感している。
相手は外野フライやフェンスオーバーを打てるが、うちはなかなか打てない!
バットコントロールや、守備のフィールディングは上手で、やっぱり日本人は職人気質。
でもこれでは勝負できる土台がないので、少しずつスイングを強くしていけたらと、新谷”監督”と日々ミーティングです。
イメージはこんな感じ。
見てくれたらなと思います。(笑)
とにかく、メジャーリーグは去年のアストロズ『フライボール革命』をもってして(その前からもある程度理論化はされていた感じがするけど)、そして日本の高校野球でも変わり始めているバッティングスタイル。
そのレベルを制する打撃を伸ばしていきたいですね。
yasさんアメリカ来ないかなー!笑