女子野球を創造する男

チョータ!

この呼び方すると怒られるんだけど、本当に怒っているのか分からないからつい親しみと尊敬を込めて言っちゃう。

 

大好きな先輩、阿部翔太

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前回の須賀川報告会で講演者のひとりとしてお呼びしました。

体温の熱い人。今回話を聞けることをとても楽しみにしていた方もたくさんいました。私と彼は小学校の体育の仕事で一緒になり、同僚がみんな教員を目指していた中、彼は何故か「ニカラグア」を目指した。えっ。どこ。

そして男尊女卑も日本より激しい国で、”女子野球”を普及させた。

『完全行動派』の彼の行動を理解するのに30分の話じゃ足りなかった!

 

阿部翔太

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■JICAニカラグア支援から”女子野球”発足

阿:ニカラグアは国技が野球なので、どこでも本当に野球をやっています。でもやっぱり道具を買うお金が無いので、木の棒を1本持って、ボールはキャップ(ペットボトルのふた)とか石ころで、こうやって庭とかで、サンダルや裸足でやっているような環境です。そこでデニス・マルティネスっていう元メジャーリーガーがニカラグア出身でいまして、メジャーリーグで完全試合とかした選手で、その選手の活躍がきっかけでニカラグアで野球が普及しました。

 

ニカラグアでの活動内容は、ニカラグア代表チームの指導野球を通しての青少年の育成です。なぜこの「青少年の育成」が必要だったかというと、まあ現地に行って分かることなんですけど、球場の中で窃盗があったりするんです。Uー18(18歳以下チーム)の指導中に、球場の中で僕の財布とかグローブがなくなる。でもそこ(荷物置き場)は誰も入れないところで警備員もいるんで。ようはU-18のメンバーがやっている行為なんです。そうやって野球だけしか学ばなかった子たちが、すごく多くって、「ショータなんとかしてくれ」って。

それで、野球の指導をしているときにミッチェルという女の子に出会いました。13歳の女の子。

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ニカラグアで国技の野球ですけど、これは少し日本も同じかもしれないんですけど、「野球は男がするスポーツ」っていう概念がすごく強いんです。女性がグローブを持っただけでも「醜い」って言われてしまうような扱い。でも彼女だけなぜか、毎日練習を見に来るんです。でも、グランドには降りてこない。でもこんな格好(写真)してるんですよ。

で僕はある日彼女に話しかけました。「野球やらないの?何しに来てるの?」って。そしたら急に彼女は大号泣して。

話を聞くと彼女は野球がやりたかったんです。とてもやりたいんだけど親に止められていた。女の子が野球をやったところで将来につながらない、お金を稼げない。だったら家にいて、家事をしてちょっとでも稼いでくれ、と。そういう風に親に言われていたにも関わらず親に嘘をついてグランドに来ていました。野球がやりたいから。

その彼女の強い想いに僕は心を動かされて、女子野球をスタートさせました。

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■ラテンの爆発的な勢い

阿:(練習をスタートさせると)ミッチェルひとりしかいなかったのに、なぜか10人くらいに増えてるですよ。やっぱり国技が野球なので、みんな野球が好きなんですよ。女の子もでした。でも、社会がそれを許してこなかった。そこに、ボロっとひとりのアジアの外国人…中国人なのか韓国人なのか日本人か分からない人(阿部さんのこと)がやってきて「女の子も野球やっていいんだよ」って言って野球を教えてくれる。そんな情報がどっかから広がって、1ヵ月で30人の女の子が集まりました。指導者は僕ひとりで。

指導者も僕しかいないし、僕はスペイン語も話せない。「トイレに行きたい」と「お腹がすきました」くらいしか言えなかった(笑)。なのに「野球がしたい」という想いだけでこんなに人が集まってしまった。そしたら、この子たちがどんどん僕にスペイン語を教えてくれるんです。

「チョータ、スペイン語分からないんだったら私たちが教えてあげる。その代わり野球を教えてくれ」。彼女たちには、ここしか野球ができる場所がなかったから。

 

反感も来ました。「おいそこの中国人、〇ね。グランドから出ていけ」と。そこだけはスペイン語が分かったんです。「お前は金持ちで、女を集めて何か悪いことするつもりなんだろ」と言われました。それは野球チームをもっているグループから言われたんです。妬みだったのか分からなかったんですけど。でも、その時も彼女たちが救ってくれました。

当時言い返せるスペイン語もなく、15人くらいのグループに囲まれて殺されるんじゃないかと思ったんですけど、女子野球を習っている子たちがかばって助けてくれたんです。

その後はSNSをどんどん活用して、「女の子でも野球をしている、野球ができるんだ」っていうのを発信していった結果、約8カ月で国内に20チームの女子野球チームができました。約300人の女子野球選手、まあプロではないですけど、野球を楽しむ女の子たちがでてきて、そこでニカラグアの政府を取り込んで、女子野球のリーグを立ち上げることができました。政府が認めてくれたリーグが全国で中継され、”女性の権利”を全国に訴えることができたんじゃないかと思いました。

 

■日本とニカラグアがつながる

阿:そのあと内戦が起こってしまって、私は政府の雇われで行っていたので、帰らなければならなくなって。それも3日前に突然言われて。彼女たちに報告も別れも言えずに日本に帰国しました。その後彼女たちの周りでも、家族が殺されてしまった子もいますし、学校に銃を持った人たちが10人くらいで入ってきて銃を突きつけられて囲まれることもありました。

僕は日本にいて何ができるだろう、と思って、やっぱり野球で日本とニカラグアをつなげたいと思い、立ち上げたのが『Woman Baseball Challenge』です。去年4名のニカラグア女子野球選手を日本に招いて交流をやりました。

誘致するときに何が必要かっていったらやっぱりお金で、そこでクラウドファンディングをしました。約200名の人から250万円をこのプロジェクトで集めることができ、ニカラグアの4名を呼ぶことができました。

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野球のレベルの差もあって、野球を学ぶというよりは、ニカラグアを日本のみなさんに知ってほしい。そしてその後の支援につなげたい。

ニカラグアの彼女たちにとっては、ニカラグアってすごく狭い国で(情報的にも)「私たちだけ女子で野球をやっているんじゃないか」ってすごく不安とか疑問があって。内戦によって悲しみとかもある中で「日本でも野球を楽しんでいる女の子たちがたくさんいるんだよ」ってことを教えたいと思ってました。

 

■女性がいないことがおかしいっていう社会に

僕が訪れた中南米の国は5か国(コスタリカ、ドミニカ共和国、エルサバトル、パナマ、ニカラグア)あるんですが、それぞれに野球をしたい女の子っているんですよ。その子たちがよく口をそろえて言うのが、「日本で野球をしてみたい」ってことです。女子野球においては、日本が憧れなんです。

私は一歩女子野球の世界に足を踏み入れてしまったので、この世界をどんどん広げていかなければいけない。しかも日本を他国にとって憧れの世界にしなければいけないと思っています。

今ここ(会場)にいるのが女性が4名(男性・男子は36名)。野球って男性だけがやるスポーツじゃないですよね。女性もおおいにかかわっているスポーツなのに、こういうところに全然女性がいない。

これから僕がやっていきたいことは単純です。

どうやって女性を野球界に引き込むか。それが私の使命です。

その入り口として女子野球、そして中南米の女子野球。日本の子どもたちにもいろんな世界を見せることができたらなあと思っています。

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